割賦販売(かっぷ・かっぱん)とローンは似ていますが、微妙に違いがあります。
結論、消費者視点ではほとんど同じですが、契約の形態が少し異なります。
割賦販売とは?
割賦販売とは、商品の代金を分割で支払う購入方法です。簡単に言えば「分割払い」のことで、例えばスマートフォンや家電を買うときに、代金を一度に全額払わず月々に分けて支払う方法がこれにあたります。
クレジットカードの分割払いやリボ払い・ボーナス払いなども、法律上「割賦販売」に含まれます。
割賦販売のポイントは、商品代金を払い終わるまで商品の所有権が購入者に移らない場合があることです。
契約の内容によって、所有権が実際に移転するタイミングは異なり、購入時点で買い手に移る場合もあれば、一定額を支払った段階や完済後まで移らない場合もあります。
多くの場合、完済するまでは販売会社(または信販会社)が商品の所有権を留保し、支払いが終わって初めて自分のものになる仕組みです。

車などの高額な商品は完済後まで移らないことが多いです。
また、途中で解約や返品ができない点にも注意が必要です。
割賦販売は実質的に「購入」ですから、一度契約して商品を受け取ったら原則として契約期間途中でのキャンセルや商品の返却はできません。
割賦販売の特徴
割賦販売の特徴をまとめました。
- 初期費用が少なくて済む
- 分割手数料がかかる
- 信用審査がある
- 維持費・修理費は自己負担
- 法律による保護がある
1.初期費用が少なくて済む
頭金なしでも高額な商品を手に入れられるため、手元にまとまった現金がなくても購入できます。
2.分割手数料がかかる
分割払いには所定の手数料や利息が発生することが多く、総支払額は現金一括より割高になります。ショップによっては「〇回払い無利息」などのキャンペーンもありますが、その場合も手数料が0円になるだけで仕組み自体は同じです。
3.信用審査がある
分割払いで商品を購入する際には、クレジットカード会社や信販会社による審査があります。過去に支払いの延滞や金融事故(破産など)の履歴があると、信用情報の問題で割賦払いの契約自体ができない場合があります。
4.維持費・修理費は自己負担
購入した商品の所有者(最終的に自分になる前提)として、商品のメンテナンスや修理費用は基本的に購入者側の負担です。レンタルとは異なり、故障しても自分で対応する必要があります。
5.法律による保護がある
割賦販売は割賦販売法という法律の適用を受けます。この法律には、一定の条件下で契約を無条件解除できるクーリング・オフ制度(契約書受領後8日以内)や、商品の不具合・未履行時にクレジット会社への支払いを止められる支払停止の抗弁権など、消費者を守る仕組みが定められています。
ローンとは?
ローンとは、銀行や信販会社、消費者金融などからお金を借りて商品代金に充て、借りたお金を分割で返済していく方法です。
簡単に言えば「目的のためにお金を借りる(=借金)」ことで、借入金で商品を購入し、その借金をあとで返していく仕組みになります。
- 住宅ローン
- マイカーローン(自動車ローン)
- 銀行のフリーローン
- カードローン
ローンでは商品代金は一括で支払われる(金融機関から借りたお金で店に全額支払う)ため、商品の所有権は購入時点で購入者に移ります。
一方でお金を貸してくれた金融機関には、契約で定めた期間にわたり借りた元金と利息を分割返済していく義務が残ります。
ローンの特徴
ローンの特徴をまとめました。
- 必ず利息が発生する
- 借入目的によって種類が分かれる
- 審査が厳しい
- 返済延滞のリスク
1.必ず利息が発生する
ローンは金銭の借入なので、元本に対して契約利率の利息を付けて返済する必要があります。ローンの種類によって金利は様々ですが、基本的に割賦よりも長期の返済になりやすく、その分支払総額も大きくなりがちです。
2.借入目的によって種類が分かれる
ローンには、使いみちが決まっている目的別ローン(住宅ローン・自動車ローンなど)と、資金使途が自由なフリーローン・カードローンがあります。家や車のような高額資金が必要な場合は目的別ローンを利用し、それ以外の消費財購入にはフリーローンなどを利用する形です。
3.審査が厳しい
ローンは金融機関側にとっては「お金を貸す」行為なので、申込者の返済能力や信用力に対する審査が厳格です。安定した収入や良好なクレジットヒストリーが求められ、信用情報に傷があると借りられないことがあります。特に高額のローンでは保証人や担保を要求される場合もあります。
4.返済延滞のリスク
もしローン返済を延滞すると、遅延損害金が発生したり信用情報に延滞記録が残ったりします。携帯電話料金やカード支払いの滞納と同様、ローンの滞納も金融事故として記録され、今後他のローンやクレジットカードが利用できなくなる恐れがあります。
割賦販売は主にCIC、ローンはJICCやCICに利用履歴が記録されると覚えておきましょう。
ローン=貸金業法?
結論からいうと すべてのローンが貸金業法の対象になるわけではありません。
これは「誰から借りたのか?」によります。
消費者金融・信販・クレカ会社などから借りた場合、貸金業法の支配下にあります。個人向けにお金を貸す業者は同法で「貸金業者」と定義され、指定信用情報機関(JICC または CIC)の加盟と情報登録が義務です。
(参考)指定信用情報機関制度
銀行法等の管轄で貸金業法の登録は不要。ただし 自発的に JICC や CIC にも加盟している銀行が多数あり、住宅ローンなどは銀行センター KSC(全国銀行個人信用情報センター) に必ず載り、必要に応じて JICC/CIC にも共有されます。
借り先 | 主な根拠法 | 必ず載る信用情報機関 | 補足 |
---|---|---|---|
消費者金融・信販会社・クレカのキャッシング | 貸金業法 | JICC か CIC(義務) | 年収1/3規制(総量規制)のチェックにも利用 |
銀行のカードローン・フリーローン | 銀行法 | KSC(必須)+多くが JICC/CIC にも加盟 | 銀行は総量規制対象外だが審査で3機関照会が一般的 |
クレジットカードのショッピング分割・リボ | 割賦販売法 | CIC(義務)※JICCにも登録する会社あり | 「支払停止の抗弁権」など割販法の保護あり |
住宅ローン | 銀行法(または信金法など) | KSC(必須) | JICC/CIC には通常載らないが、銀行が加盟していれば共有される場合あり |
結局、割賦販売とローンの違いは?
利用者からすると、利息・手数料を足してお金を毎月返済するのは同じですが、割賦販売の場合は料金を立て替えてもらった信販会社に、ローンはお金を貸してくれた金融機関に月々返済を行います。
ちなみに、家電量販店や通販サイトでよく見るショッピングローンや家電ローンですが、あれは実際は割賦販売のことが多いです。
オリコやJACCSなどの信販会社が審査を行い、審査に通れば購入代金を一括で立て替えて販売者に支払う。そして立て替えてもらったお金を毎月、利用者が手数料をのせて信販会社に返済するというのは、まさに割賦販売ですね。
新しい所有の選択肢『Renkau』とは?
割賦販売にもローンにもそれぞれ利点がありますが、
- 「分割払いの審査に通るか心配」
- 「途中でやめられないのが不安」
といった悩みを持つ方もいるでしょう。
そんな方に注目されているのが、割賦でもローンでもない新しい所有の形として登場した「Renkau(レンカウ)」というサービスです。
過去に金融事故(延滞・債務整理・強制解約など)があると、現在毎月の支払い能力があっても、信販会社や消費者金融の割賦やローンの審査に通らないことがあります。
そこで、とても助かるサービスがRenkauです。
Renkauの特徴
Renkau(レンカウ)は、「2年間レンタル料を支払うと自分のものにもできるサービス」です。
- レンタルだが商品は新品(希望すれば中古も利用可能)
- 利用可能金額は1~30万円
- 支払いは翌月からでOK!
- レンタル期間中は保証あり
- 欲しい商品をレンタルして24ヶ月目に購入が選べる
- 口座引落・振込なのでクレジットカード不要
※購入を選ぶと商品は自分のものにできます。(24ヶ月目に1ヶ月分のレンタル料を支払うことで成立)
- レンタルサービスなので審査に通りやすい
- クレジットカードがなくても利用できる
- レンタルなので総量規制の対象にならない
- 総支払額は大きくなる
- 1年以内にレンタル契約を解約すると違約金が発生
総量規制とは、貸金業者側に定められた申込者の年収の1/3を超える貸付を禁止する法律です。
- レンカウの申込みページにいく
- ご希望商品のお問い合わせ内容のところに対象URLを添付
- 審査(電話の場合もあり)を行う
- 審査に通過後、契約
- 商品が自宅に届く
- 翌月からレンタル料を支払い開始
- 2年間利用すると引取と返却を選べる
まとめ
スマートフォンや家電など高額商品の購入手段として、「割賦販売」と「ローン」にはそれぞれ異なる仕組みと利点・欠点があることを見てきました。
すぐに商品を手に入れて後から払うという点は同じでも、所有権の扱いや金利負担、契約の自由度などに違いがあります。
自分に合った方法を選ぶことはとても大切です。手持ちの現金や今後の収支の見通し、信用状況などを踏まえて、無理のない方法で賢くお買い物をしましょう。
もし従来の割賦やローンに不安を感じる場合は、新しい支払い方法である「Renkau」のようなサービスを検討してみるのも一つの手です。時代とともに消費者ニーズに合わせて購入手段も進化しています。それぞれの特徴を正しく理解し、あなたにとってベストな方法で欲しいものを手に入れてください。